１．プレイズ・ワーシップにようこそおいで下さいました。イエス ・キリストの山上の説教は、私達の常識をひっくり返すものばかりです。貧しい者の幸 いとか、悲しむものの幸いとか、いじめられるものの幸いとか、私達の常識外のことが 次々と語られます。

２．今日のテーマは姦淫です。どう見ても余り楽しそうなテーマで はありませんが、この性の問題ほど私達の生活と深く関わっている問題はありません。

３．先日、大学生のグループがパーティーを催して、狙いをつけた 女子学生を泥酔させて輪姦するという事件が起きました。その張本人がインタビューで 、新学期の度に今年は何人を目標にするかと臆面もなく語るのを聞いて、この人は女性 を自分の肉欲を満たすための道具としか考えていないのか、と心が冷え冷えとしてしま いました。

４．実は、性的な不品行、結婚外のセックス、不倫、ポルノ、エッ チ、呼び方は様々でも、ノーマルでない性行動の原点はここにあるのです。つまり、異 性を尊敬すべき人格としてではなく、自分の肉欲を満たすための道具と見なすところが 性的な罪の原点です。

５．聖書は、セックスを否定的に述べているとか、禁欲が大切とい うのは全くの誤解です。性は神によって造られたものです。神は創造になる全てを良し とされました。男と女を造り、二人の結合を祝福されました。

人は父母を離れ、二人の者が結び合って一体となる、という言葉は とても深い意味を持っています。動物などのセックスは、自分の子孫を残すための本能 的な行動ですが、人間はそれ以上です。人格同士が肉体の結合以上に結び合う関係を示 しているのです。この結び合って、という言葉は強力な接着剤で紙と紙がくっつくよう なそういった強い表現です。くっついた紙をはがすと両方が駄目になります。だから、 離婚は有り得ない程までに一体になるのです。この夫婦関係は、神と人間が交わること にも譬えられています。それほど、結婚、そのもとになる性は貴いことです。

６．ですからここで主イエス様が、「情欲をいだいて女を見る者は 、すでに心の中で姦淫を犯した」、つまり、色目を持って女性を見ることは重大な罪だ と言われた意味がおわかりでしょう。異性を尊敬すべき人格ではなく、欲望を満たすた めの物体と見る自己中心がそこに秘められているからです。 　　　　　　

７．では、異性を美しい者と見、それに惹かれることまで罪なので しょうか。とんでもありません。もし男性たる者が、美しい女性とすれちがって、胸が ときめかなかったら、それは男性ではないでしょう。木か石かも知れません。人間は美 しく逞しく知力に溢れた異性に惹かれるように出来ているのです。そこから、ロマンス が生まれ、人生の彩りが増してくるのです。ただ、主イエス様がここで警告しておられ るのは、惹かれるような気持ちからもう一歩進んで、あの人を自分の物にしたい、とい う所有欲、性欲のはけ口として見つめたり、想像を巡らすことなのです。

８．それでは、罪でない感情と、罪になる感情とどの辺が分かれ目 か、という質問が有り得るでしょう。これはとても難しい質問です。これを理性的に分 けることはほとんど不可能です。実際的に言えることがあります。ある異性に惹かれた 時に、その人柄に思いを致すか、その人との性的な関係に想像を巡らすかを分けて考え る、そして、後者についてはそれをもてあそばないで意志的に断ち切るという自己規律 が大切です。もしその人柄についての魅力であるならば、正当な道を経て結婚に至るこ とは可能でしょう。結婚が適わなかったとしても、その人格を尊敬するならば、それを 傷つけるような結婚外のセックスに到ることはありえないし、してはならないのです。 あなたの人格と尊厳を重んじていますよ、だから、結婚外でもセックスをしましょうと いう理屈は成り立ちません。

９．漢字の性は、心が生きると書きますね。本当の意味で心を生か すセックス、互いの励ましと人格の交わりの伴ったセックスという高い理念を取り戻す べき時が今であると思います。ここでの主イエスの教えは、厳しい一面だけのように見 えますが、聖書全体を見ると、性を肯定し、謳歌している所を多く見ます。例えば箴言 や雅歌がその代表例です。

箴言 5:18　あなたの泉を祝福されたものとし、あなたの若い時 の妻と喜び楽しめ。

5:19　愛らしい雌鹿、いとしいかもしかよ。その乳房がいつもあ なたを酔わせ、いつも彼女の愛に夢中になれ。

雅歌 4:1　ああ、わが愛する者。あなたはなんと美しいことよ。 なんと美しいことよ。あなたの目は、顔おおいのうしろで鳩のようだ。あなたの髪は、 ギルアデの山から降りて来るやぎの群れのよう、

4:2　あなたの歯は、洗い場から上って来て毛を刈られる雌羊の 群れのようだ。それはみな、ふたごを産み、ふたごを産まないものは一頭もいない。