礼拝メッセージの要約

(教会員のメモに見る説教の内容)


聖書の言葉は旧新約聖書・新改訳聖書(著作権・日本聖書刊行会)によります。

2004年8月15日

「白い衣を着ている」

井川 正一郎 牧師

ヨハネの黙示録3章1-6節

中心聖句

4 しかし、サルデスには、その衣を汚さなかった者が幾人かいる。彼らは白い衣を着て、わたしとともに歩む。彼らはそれにふさわしい者だからである。

5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。そして、わたしは彼の名をいのちの書から消すようなことは決してしない。

(ヨハネ黙示録3章4,5節)


はじめに

1 また、サルデスにある教会の御使いに書き送れ。『神の七つの御霊、および七つの星を持つ方がこう言われる「わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、生きているとされているが、実は死んでいる。

2 目をさましていなさい。そして死にかけている他の人たちを力づけなさい。わたしは、あなたの行いが、わたしの神の御前に全うされたとは見ていない。

4 しかし、サルデスには、その衣を汚さなかった者が幾人かいる。彼らは白い衣を着て、わたしとともに歩む。彼らはそれにふさわしい者だからである。

5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。そして、わたしは彼の名をいのちの書から消すようなことは決してしない。

1.黙示録7つの教会のひとつ

 黙示録3章は、サルデスの教会について書かれています。サルデスの教会とは、黙示録7つの教会のひとつです。エスペテサフィラ。7つの教会には、主の譴責を受けている教会とそうでない教会があります。尚、7つの教会については今日は詳しく説明は致しません。

2.サルデスの都市

 サルデスの教会について、地図上では、ヘルムス川の流域、トモルス山脈の北に位置します。経済的に豊かな都市でした。毛織物業を中心に非常に栄えた町です。非常に高いレベルの染色技術をもっていた町でした。毛織物の集散地でした。合わせて近くに砂金がとれる川があり、金貨や銀貨造りもなされ、色々な物の交流もあって、とても繁栄していました。

 また、サルデスは高い崖の上にある町でした。難攻不落の町でした。通常ではどんなに多くの軍隊を用いて攻撃しても決して敗北しない都市でした。しかし、・・であります。このことは後で述べます。

 経済的に非常に繁栄していましたが、その反面、道徳的に腐敗していた都市でした。

 今日のメッセージは、サルデスの教会の特徴はどのようなものであったのか、を学んでみたいと思っております。なぜなら、この都市の教会の特徴が、今日の教会、もしくは、信仰者の特徴に重ねることができるのではないかと思うからです。


1.生きているが、実は死んでいる教会

1)名だけのクリスチャン、死にかけている

 人の前には生きているように見えるのですが、キリストの目からは死んでいると言わざるを得ない教会があるのです。生けるキリストの前では死んでいるのです。キリストの栄光をけがす状態にあるのです。ある訳では「生きているというのは名だけで、実は死んでいる」のです。

 主を信じていると言っていますが、名だけのクリスチャンがいます。死にかかっている信仰者がいます。サムソンの例を見て下さい。

2)神の御霊が去ってしまったのか

 スミルナは迫害を受けます、ペルガモは異端が入ってきてだめになります。サルデスには迫害もない、異端も入ってこないのです。サタンが特に問題にしていないかのような教会でした。自分の仲間だから特に攻撃する必要がないのでしょうか?

 2.目をさます必要がある教会

1)眠りこけている

 目をさましなさいとあるのは、目をさましていない、眠っている、眠りこけてしまっている姿が現実であるとの指摘です。

 ある人は言います。堕落した世の中の力が入ってきて、信仰が居眠りしたような状態になっています。小春日和にうとうとした姿。全く沈滞した姿なのです。

 目をさましないと繰返して強調されていることには、意味があるのです。サルデスの人々にとっては、この町の歴史をすぐに思い出すことができます。主はそれを意識して、人々がすぐに手に取るようにわかるように話されたのでありましょう。彼らの町の歴史とは何でしょうか。

2)サルデスの歴史から

 高い崖の上にある町でした。難攻不落の都市でした。南のほうになだらかな所がありました。そこだけ堅く守れば、決して陥落しないはずでした。でも実はそれにもかかわらず、敗北を経験しましたそれは難攻不落を誇って安心しきっていたところに、紀元前6世紀中ごろまで古代リディア王国の首都であったのですが、ペルシャのクロスに攻撃されました。普通であったら、決して負けることはないのですが、負けてしまったのです。攻撃しても攻撃してもなかなか落ちないはずでした。でも、落ちたのです。なぜでしょうか。それはペルシャの兵士によって夜ひそかに岩壁の亀裂のところから絶壁を登って攻め込まれたのです。そして陥落したのです。同じようなことが後の時代にも起きました。破壊、陥落した都市ではありましたが、それでもなお、復興し、繁栄を繰返す町でもあったのです。

 それはともかく、だからこそ、目をさましていなさいと言われると、人々は町のそのような歴史を思い起こすのです。目をさましていないと盗人のように主が来られるのです。大変なことになるのです。

3.白い衣を着ている者たちがいる教会(数は少ないが・・)

1)数少ない(残りの者=レムナント)

 この町の特徴は、毛織物でした。町の民は立派な服を着ていたといわれています。市民権を持っている者が立派な着物を着ていたのです。しかし、みすぼらいものであったら、市民権が失われていく、というのです。衣をけがすとはどういうことでしょうか。主は話す相手にあわせて話を進められるのです。白い衣をきているとは具体的に何を意味するか、すぐに思い当たるのです。

2)白い衣の意義

@ホーリネス、栄光、勝利の衣

 白いとは、けがれていない。きれいの意味です。ホーリネス、栄光、勝利の衣。天国の市民権を持つことのできる衣。殉教者の報いなのです。

Aキリストの血潮によって

 キリストの血潮によってきれいにされるのです。白い衣は自分でつくることはできません。洋服を自分で作る人はいますが、この白い衣は作れないのです。白い衣は、神が提供するもの(=神から与えられるもの)なのです。それを着せられるのです!


しめくくり

1)目をさまそう、悔い改めよう!

 まだチャンスがあります。もし汚れたものがあったら、目をさまして、悔い改めましょう。

2)毎瞬(毎日)、血潮を仰ごう!

 いつも、血潮を仰ぎ、イエス様と正しい関係におき続けましょう。

 故渡辺倉造勧士のあかしがあります。毎朝、奥様と玄関で握手してこう言ったそうです。「その子イエスの血、すべての罪より我らをきよむ」

 このようにして、今日もし天に召されることになったとしても、「生命の書」に名が記されているから大丈夫ということになるのです。私たちはレムナント(=残りの者)として、まだ恵みの時が残されているのです。白い衣を着せられるチャンスがあるのです。こいうお互いでありたいものです。

 お祈り致します。


Written by S. Ikawa and Edited by N. Sakakibara on 2004.8.15