プレイズ・ワーシップ メッセ ージサマリー

(教会員のメモに見る説教の内容)


聖書の言葉は新改訳聖書(改訂第三版=著作権・日 本聖書刊行会)によります。

2005年8月14日

「自殺してはいけない」

竿代 皓子牧師

使徒の働き 16章28節

中心聖句

Acts 16:28 

 そこでパウロは大声で、「自害してはいけない 。私たちはみなここにいる」と叫んだ。

(使徒の働き 16章28節)


A.自殺について

読んで字の通り、「自殺」とは自分で自分の命を絶つことです。何 とも痛ましいことですが、いま日本は世界一の自殺率を4年連続の記録更新をしており ます。平成15年は、全国平均10万人中男は33.2%、女は10.9%で、25% を越える異常に高い自殺率となっています。

自殺者総数は32,109人、「豊かだが貧しい国」−−−心の問 題に金は使わない日本といわれているのです。特に50歳代、60歳代の男性の自殺率 は高く、失業者の増減と自殺者数の増減が強く関連していることを統計が示しています 。

原因は借金、過労、リストラ、ストレス、鬱、などです。もちろん 、若い年代にも自殺願望が広がっていることはインターネットの「自殺サイト」を通じ ての集団自殺や、犯罪に利用されていることは新聞やニュースでよくご存知だと思いま す。今日はこのような日本の現状を踏まえて、「自殺してはいけません」という聖書か らのメッセージに耳を傾けたいと思います。

B.ピリピの牢獄

 「自殺してはいけない」といわれた人物はピリピの牢番です。

 この人物は紀元前49〜50年ごろ、当時のローマ帝国の殖民都 市ピリピで牢番をしていました。ピリピは北ギリシャ、マケドニアにあり、交通の要衝 でもあって、繁栄しており、多くの重要なローマの役人や退役軍人が好んで住んだとい われています。(ピリピという町の名は、その昔アレキサンダー大王の父フィリッポス にちなんで付けられた名前です)

 ピリピはまた、使徒パウロによって福音がヨーロッパに伝えられ て出来た初めての教会です。

 彼は厳しいローマの法律に従って、きびきびと仕事をこなしなが ら、牢獄と言う人生の底辺にある人々の姿をつぶさに見てきたことでしょう。来る日も 、来る日も暗く沈んだ絶望のどん底にある人々です。彼はそのような人間ばかりを見て 、どう感じていたのでしょうか。自分の事として考えると、やはりやりたくない仕事の 一つと思います。

 しかし、ある時不思議な囚人が入ってきたのです。この二人は悪 意のある人々によって讒訴されて、鞭打たれ、牢に入れられ、足かせまではめられまし た。かれは厳重に番をするように命じられました。 この二人の囚人の不思議さは、背中からは血が流れ、その痛みは厳しいものだったにも 拘らず、喜びに輝いて「神に祈りつつ、賛美を歌って」いたのです。

 牢番には全く理解の出来ない二人でした。大きなショックを受け たことは想像に難くありません。彼らはどうして苦しみの中に輝くことが出来るのだろ うと不思議だったに違いありません。これはなんだろうと心に深く思ったことでしょう 。神を信じる人の持つ不思議な力を彼は見たのです。

 このような時、順調に進んでいた彼の人生に、大地震と言天災が 降りかかり、それが原因で囚人が逃亡したという、最も厳しい死刑という罰が突然彼の 身に振りかかってきたのです。絶望のあまり刀を抜いて自害しようとした時に「自殺し てはいけない」との声がかかりました。

 この牢番は現代の中高年の方々が抱えている深刻な状況と、同じ 状況にいると考えてよいと思います。自分の力ではどうすることのできない、絶望だけ です。絶望の果ては自殺のみです。しかし、聖書は「自殺してはいけない」とはっきり と明言しています。なぜでしょうか。

C.「自殺してはいけない」理由

1)十戒の6番目に「殺してはならない」とあるからです。 他人はもとより、自分の命も自分勝手に殺すことは神の掟にそむくことになります。自 分の命は自分のものとして勝手にしてよいのではありません。命は神から与えられたも のだからです。

使徒の働き17:25 また、何かに不自由なことでもあ るかのように、人の手によって使えられる必要はありません。神は、すべての人に、い のちと息と万物とをお与えになった方だからです。

2)どんなに状況は絶望的であったとしても、それは牢番の「囚人 達が逃げてしまったものと思い」とあるように、彼の「思い」の範疇の中でのみ考えて いるからです。人間には限界があります。しかし、

ルカの福音書1:37 神にとって不可能なことは一つ もありません。

と宣言される神がおいでであることを人は知るべきなのです。人間 の絶望は神の好機なのです。絶望は神に導く仮面を被った祝福の一つなのです。

3)神はどんな困難からでも人を救おうとされておられるからです 。

多くの人々は困難を通してキリストに導かれ、新しい人生を送るよ うになっています。牢番にとって、常識では囚人達はとっくに逃げてしまっているのが 当然です。

しかし、逃げないで「私たちはみなここにいる」との声が暗闇の中 に響いた時の牢番は驚きと感動に包まれたことでしょう。この時、牢番がパウロとシラ スの二人の証を通して、不思議に思っていたことが、具体的な行動と言葉となって、『 看守はあかりを取り、駆け込んで来て、パウロとシラスの前に震えながらひれ伏した。 そして、ふたりを外に連れ出して、「先生がた、救われる為に、何をしなければなりま せんか。」と言った』と、救いの道をパウロに尋ねたのです。ここで本当の救いの道が 提示されます。

使徒の働き17:31 ふたりは、「主イエスを信じなさ い。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」と言った。

D.おわりに

主イエス・キリストをもっと知りましょう。主は全地を造られ、私 達を愛し、十字架の死をもってその愛を表し、救おうとされておられるお方です。大い なる偉大な神に、私達の全ての問題を御委ねして単純に信頼することです。主は必ずそ の信頼に答えて、最善をなして下さるお方です。「信じる」心が最も問題解決の早道な のです。

ヨハネの福音書14:1 あなたがたは心を騒がしては なりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。

と主イエス様は招いておいでです。お祈りいたします。

(自殺の原因の一つであるストレスの発散法、それは「三つのR」 −−−Rest(休養)Recreation(気分転換)Relax(くつろぎ)で す。これはよく眠り、気分転換をし、ゆっくりする時間を持って緊張を和らげるといい のです)


Message by Hiroko Saoshiro,pastor of Nakamegur o IGM Church

Compiled by K.Otsuka/August  14,2005