プレイズ・ワーシップ メッセージサマリー 

(教会員のメモに見る説教の内容)


聖書の言葉は新改訳聖書(改訂第三版=著作権・日本聖書刊行会)によります。

2006年11月26日

クリスマスに望む@
「ダビデの子孫から救い主が」

竿代 照夫牧師

中心聖句:歴代誌第一 17章14節

わたしは、彼をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。

該当聖句:歴代誌第一 17章11-15節

あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちのもとに行くようになるなら、わたしは、あなたの息子の中から、あなたの世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。

 

彼はわたしのために一つの家を建て、わたしはその王座をとこしえまでも堅く立てる。

わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。わたしはわたしの恵みをあなたの先にいた者から取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。

わたしは、彼をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。」

ナタンはこれらすべてのことばと、これらすべての幻とを、そのままダビデに告げた。


A.はじめに

この半年、ダビデの生涯を学び続けました。試練の数々にぶつかり、それを神の助けによって乗り越えたその姿は私達に大きな励ましだったと思います。今日からクリスマスのシリーズに入りますが、今日はダビデとクリスマスを結びつけるお話しにしようと導かれました。

キリストがダビデの子孫として生まれたことは、マタイの福音書の冒頭に、

アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図。

と記されています。

クリスチャンでない先生も、「聖書はいい書物だから読むように」と言って薦めてくださいますね。途中から読むひとはそう多くないでしょうから、最初から読みます。そうしますと、先ほどお読みしたように、誰々の系図、○○の子孫、××の子孫と続き、「何の意味があるんだろう」と思われる方がいらっしゃるようです。ですが、それぞれ意味があるのです。

何故なのでしょう。それは、主がダビデ自身に

あなたの子孫から救い主が生まれる

と約束されたからです。その約束について学びます。

B.約束の背景

ダビデが長い苦難の時期を越えて王様になり、首都を定め、礼拝の中心である契約の箱をそこに据え、これから、本腰を入れて国づくりをしようとしたとき、真っ先に考えたのが、神殿を作ろうということでした。その時自分は杉材で作った家に住んでいました。今で言えば木造建築です。

実は、木造建築というと、森林が豊富な日本では比較的安価な家の象徴ですが、森林の乏しいパレスチナでは贅沢の象徴でした。いずれにせよ、自分が立派な家に住んでいるのに、礼拝の中心である契約の箱が安置されているのは、いかにも仮住まいの雰囲気のテントの中だということを申し訳なく感じたのです。

この感覚はとても大切ですね。今から約400年前、アメリカに移住したピューリタン達が一番最初に建てたのは礼拝の場所であったということが伝えられています。アメリカでは、収穫が行われた感謝祭が今行われていますが、彼らの伝統に、そうした神第一の精神があることは、すばらしいことです。

ダビデに戻りますが、ダビデは、石造りの恒久的な神殿建築を申し出ます。その申し出を受けた預言者ナタンは、「大変結構です」と答えますが、その晩、神のお告げを受けて、その了解を変更いたします。要約しますと、

「ダビデが建築することは許さない。なぜなら、彼は戦いから戦いの生涯の中で、多くの血を流したから、その血を流した手で平和の象徴である神殿を建てるのは相応しくない」

というものです。

しかし、ダビデの良い心からの申し出は、もっとすばらしいご褒美を頂く、それは、

ダビデ王国の永遠的な繁栄

というものでした。

C.約束の内容

そのダビデ王国の繁栄を約束している聖句に目を留めます。

1)ダビデ自身の王国が、平和と繁栄を齎す。

2)彼の多くの息子の一人から、立派な跡継ぎを建てる。彼が王国を確立し、更に神殿を建築する。17章11節から14節をご覧ください。

あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちのもとに行くようになるなら、わたしは、あなたの息子の中から、あなたの世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。

彼はわたしのために一つの家を建て、わたしはその王座をとこしえまでも堅く立てる。

わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。わたしはわたしの恵みをあなたの先にいた者から取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。

わたしは、彼をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。

この約束のほとんどは、彼の跡継ぎであるソロモンによって成就しました。しかし、それは、ソロモンで終わったわけではありません。

3)ダビデの王国は、

永遠的に継続する。王座、王国が永遠に続く

という約束が本当は一番大切なのです。

表面的に見ると、この王国は滅びてしまいました。ダビデから約五百年後、その22代目のゼデキヤの時代に、王国も王朝も、バビロンによって滅ぼされます。それ以後、ダビデの子孫が王国を復活した記録はありません。

では、神の約束は反古になったのでしょうか。いいえ。全く別な形で、もっとすばらしい王国が与えられました。それが

ダビデの子キリストによって建てられた神の国

です。ダビデの子が救い主(メシア)となる、という信仰は、ダビデ自身に与えられたこの約束から始まりました。

D.約束の理由

何で、このような壮大で、永遠的な、すばらしいお約束がダビデに与えられたのでしょうか。

彼が偉大だったからでしょうか。そうではありません。かれが高貴な生まれだったからでしょうか。そうでもありません。

では、彼に欠点がなかったからでしょうか。いいえ、彼には欠点が沢山すぎるほどありました。

しかし、もし、理由があるとすれば、唯一つ、

ダビデの真実な神への献身

という点だけが考えられます。

E.約束の成就

そして、その約束は千年という歳月をへて、クリスマスのときに成就したのです。何とスケールの大きな、神のご計画でありましょうか。

この成就を感激をもって歌ったのが、イエスの先駆者の父ザカリヤです。彼は、メシアの来臨を告げられたとき、

ルカの福音書1:68 「ほめたたえよ。イスラエルの神である主を。主はその民を顧みて、贖いをなし、

1:69 救いの角を、われらのために、しもべダビデの家に立てられた。

と賛美しました。クリスマス物語は、もう千年も前のダビデから始まっていたわけです。

F.約束への感謝

ダビデは、この約束を心からのへりくだりをもって受け入れました。彼は、主の前に座し、そして言いました。17章16節から27節から抜粋します。

17:16・・・「神、主よ。私がいったい何者であり、私の家が何であるからというので、あなたはここまで私を導いてくださったのですか。

17:17 神よ。この私はあなたの御目には取るに足りない者でしたのに、あなたは、このしもべの家について、はるか先のことまで告げてくださいました。

自分が取るに足らないものなのに、こんな祝福を与えてくださった主に感謝と感激を表わします。そして、神の永遠の祝福について、いわば念を押します。

17:23 どうか、主よ。あなたが、このしもべとその家について約束されたことが、とこしえまでも真実をもって行なわれますように。あなたの約束どおりに行なってください。

17:24 ・・・あなたのしもべダビデの家が御前に堅く立ちますように。

17:25 わが神よ。あなたは、このしもべの耳にはっきり、しもべのために家を建てようと言われました。それゆえ、このしもべは、御前に祈りえたのです。・・・

17:27 今、あなたは、おぼしめしにより、あなたのしもべの家を祝福して、とこしえに御前に続くようにしてくださいました。主よ。あなたが、祝福してくださいました。それはとこしえに祝福されています。」

私達も、威張るのではなく、ダビデのように神の前にへりくだることによって豊かな祝福を与えてくださいます。そのことを、今回学ばせていただきたいと思います。

G.おわりに-私達への励まし

地上的なダビデの家は滅びました。しかし、その約束を受け継いだメシア王国はイエス・キリストによって受け継がれ、確立し、繁栄を続けています。

クリスマスを前にした私達は、神の王国の確かな流れを掴み、感謝をもって前進したいと思います。お祈りいたします。


Message by Isaac T.Saoshiro,senior paster of Nakameguro IGM Church

Compiled and edited by K.Otsuka/November 26,2006