礼拝メッセージの要約
(教会員のメモに見る説教の内容)

 
聖書の言葉は旧新約聖書・新改訳聖書(著作権・日本聖書刊行会)によります。
 
2007年5月6日
 
「グッドニュースをひとりじめ?」
CSデー礼拝
 
竿代 照夫牧師
 
第二列王記7章3-11節
 
 
[中心聖句]
 
 16  きょうは、良い知らせの日・・・さあ、行って・・・知らせよう。
(U列王記7章9節)

 
聖書テキスト
 
 
3 さて、町の門の入口に四人のツァラアトに冒された人がいた。彼らは互いに言った。「私たちはどうして死ぬまでここにすわっていなければならないのだろうか。 4 たとい、私たちが町にはいろうと言っても、町はききんなので、私たちはそこで死ななければならない。ここにすわっていても死んでしまう。さあ今、アラムの陣営にはいり込もう。もし彼らが私たちを生かしておいてくれるなら、私たちは生きのびられる。もし殺すなら、そのときは死ぬまでのことだ。」
5 こうして、彼らはアラムの陣営に行こうと、夕暮れになって立ち上がり、アラムの陣営の端まで来た。見ると、なんと、そこにはだれもいなかった。 6 主がアラムの陣営に、戦車の響き、馬のいななき、大軍勢の騒ぎを聞かせられたので、彼らは口々に、「あれ。イスラエルの王が、ヘテ人の王たち、エジプトの王たちを雇って、われわれを襲うのだ。」と言って、 7 夕暮れになると、彼らは立って逃げ、彼らの天幕や馬やろば、すなわち、陣営をそのまま置き去りにして、いのちからがら逃げ去ったのであった。
8 このツァラアトに冒された人たちは、陣営の端に来て、一つの天幕にはいり、食べたり飲んだりして、そこから、銀や金や衣服を持ち出し、それを隠しに行った。また、戻って来ては、ほかの天幕にはいり、そこから持ち出し、それを隠しに行った。
9 彼らは話し合って言った。「私たちのしていることは正しくない。きょうは、良い知らせの日なのに、私たちはためらっている。もし明け方まで待っていたら、私たちは罰を受けるだろう。さあ、行って、王の家に知らせよう。」 10 彼らは町に行って、門衛を呼び、彼らに告げて言った。「私たちがアラムの陣営にはいってみると、もう、そこにはだれもおらず、人の声もありませんでした。ただ、馬やろばがつながれたままで、天幕もそっくりそのままでした。」 11 そこで門衛たちは叫んで、門のうちの王の家に告げた。
 
はじめに
 
 
今日は4人の仲のいいお友だちのはなしです。
 
1.4人の友だち
 
 
 
 イチエル、ニザヤ、サンソン、ヨンサム
 
 
4人のなまえを、イチエル、ニザヤ、サンソン、ヨンサムとしておきましょう。この4人は、イスラエルの首都サマリヤという町に住んでいました。
 
 重い皮ふ病のために町外れで生活
 
 
この4人がなんでお友だちかっていうと、4人とも重い皮膚病を持っていたからです。今から3千年ほど前のイスラエルでは、今のように顕微鏡でばい菌をしっかり見ることができませんでしたから、どんな皮膚病でも、他の人に移るからキケンだと思われていました。ですから、重い皮膚病になると、町から追い出されて、その入り口に掘っ立て小屋を建て、小さくなって生活していたのです。かわいそうな話ですね。

この4人がどうやって食べていたかというと、町の人々が余ったパンを時々めぐんでくれるのを目当てにしていたのです。といっても、重い皮膚病の人は町の人々に近づけませんから、お城のような町の入り口に「パンを恵んでください」と書いた箱を置いておいて、寄付をお願いするというわけです。その箱を遠くからそおっと見ていて、だれかがパンを入れて、いなくなると10秒くらい数えてから、さっとその箱にいってそのパンをもらうという形でした。
 
2.とても困った
 
 
 
 アラムの兵隊がサマリヤを取り囲む
 
 
ある日、アラムという北隣の国の軍隊がイスラエルに攻め寄せてきました。これはイエス様がお生まれになる840年ほど前、アラムの王様であったベン・ハダデが、国中の兵隊を集めて、イスラエルと戦争を始めたからなのです。サマリヤの町の入り口、つまりお城の門という門は全部ふさがってしまいました。アラムの陣地からは、ワーワーという鬨の声が響いていましたから、4人は、何が起きたのか見当がつきました。恐ろしいの何の。それより何より、一番困ったのは、あの寄付箱にパンが入らなくなったことです。
 
 大変な飢饉(ロバの頭のスープも登場)
 
 
パンがなくて一日おなかを空かしていたら、なんと次の日にはロバの頭がボーンと乗っかっていました。なんだコリャとびっくりしましたが、それでも頭をぐつぐつ煮立てたら、おいしいスープができました。次の日は何にもなし、うわさによると、ロバの頭でも何千円とかいう値段で売れているとか。時々見かける町の人々の顔もやせこけていて、目ばっかりがギョロギョロしています。うっかりすると自分たちまで食べられそうです。それから、寄付箱には何にも入らなくなってしまいました。
 
3. 大変な決心
 
 
 
 思い切って敵の陣地に
 
 
何にも食べられない日が一週間も続きました。4人はもう腹ペコで死にそうです。そのときイチエルさんが言い出しました。「おい、みんな、このままだまっていたら死んでしまうよ。どうだ、この町を抜け出して、アラムの陣地に行こう。」ニザヤさんがすかさず言いました。「アラムの陣地だって?そんなことしたら、アラムの兵隊に槍一突きで殺されてしまうよ。」イチエルさん「そうかもしれない。そうなることは確実さ。だけど、考えてごらん。ぼくらは、いま腹ペコで死に掛かっているんだよ。町に入って、皆に「食べ物をください」って叫んだって、皆も腹ペコなんだから、僕らに食べ物を恵んでくれるわけはないだろう。だから町に入って腹ペコで死ぬか、町を出てアラムの兵隊の槍で突き殺されるか、どっちにしても死ぬんだよ。二つに一つならば、ぼくは兵隊のやりで殺される方がましだ。みんなどう思う?」サンエルさんが賛成しました。「いつやる?」とヨンサン。イチエル「そうだな、暗くなってから、そっといこう。」

太陽が沈んで、町もその周りも薄闇に包まれていきました。イチエル、ニザヤ、サンソン、ヨンサムの4人は、町の入り口の掘っ立て小屋をそっと抜け出して、アラムの陣地の方に向かいました。どこで弓矢が飛んでくるかな、アラムの見張り兵に見つかったらどうしようと、胸をドッキラコドッキラコと高鳴らせながら、身をかがめながら静かに前進しました。とうとう陣地の傍まで来ましたが、ウンともスンとも音がしません。薄暗がりの中をヨーク見ると、なんと、馬やろばだけで、人間の影も形もありません。4人はそーっと一つのテントを開けてみました。やっぱり誰もいません。
 
 空っぽのテントにびっくり
 
 
でも、すてきなことが起きました。そう、そこには夕食の準備がしてあって、そもまま、手付かずで置いてあったのです。これって何だろう、なんて考える暇はありません。4人は夢中でガツガツ、ムシャムシャほおばりました。こんなうまい焼肉って生まれた初めてだなあ、パンも焼き立てだし、うわあうまい、なんて口々に言いながらすっかり平らげてしまいました。お腹が少し落ち着いてきたら、テントの中の様子が見えてきました。そこには、高そうな着物がおいてありました。金や銀の宝物まで入った宝物の袋もありました。きっとイスラエルで他の町々を滅ぼしたとき、そこから略奪した宝物だったのでしょう。「よーし、これを僕らの掘っ立て小屋にもって帰ろうや、とばかりに、町の入り口にある自分たちの掘っ立て小屋に持ち帰って、隅っこの方に隠しました。この調子だと、別なテントにも食べ物や宝物があるかもしれない、と思った4人は、もう一度、アラム人の陣地に戻りました。やっぱり誰もいません。お腹も少し空きましたから、少し食べ物を食べ、宝物はがっちりと持って帰りました。

これは、4人があとから聞いた話なのですが、アラムの兵隊達は、陣営のそばで、ガラガラという戦車の響きとヒヒヒーンという馬のいななき、ワーワーと言う大軍勢の騒ぎが聞こえてきました。アラムの兵隊は「あれ。イスラエルの王が、外国のの王様たちにお願いして、われわれを後ろから襲うのだ。」と言って、パニックになりました。夕暮れになると、アラムの兵隊達は立って逃げ、彼らの天幕や馬やろば、すなわち、陣営をそのまま置き去りにして、いのちからがら逃げ出したのです。
 
4.町の人々のことも考えよう!
 
 

 
 グッド・ニュースをひとりじめにしたら?
 
 
アラムの陣地のテントを行ったり来たりを何回か繰り返しているうちに、ヨンサムがみんなに言いました。「ねえ、みんな、ぼくらはさ、なんか悪いことしているんじゃない?町のみんなはほとんど飢え死にしかかっているのにぼくらだけこんなにお腹いっぱい食べるなんて。」サンソンが言い返しました。「そんな、他人のことまで考えなくたっていいじゃないか。町の人々は、僕らが飢え死にしそうになったとき、何か恵んでくれたかい?からからに乾いたパンの端っことか、ロバの頭とか、みんな食べ残しを、しかも時々しかくれなかったじゃないか。今度は町の人々が苦しむ番さ。」ヨンサム「そうは言ってもね。アラムの陣地が空っぽになって、食べ物や飲み物、宝物まであふれるように残っているって言うのは、すばらしいニュースじゃないか。このニュースを独り占めにしたら、神様から叱られると思うよ。」イチエル「うんそうだ、僕もそう思う。」ニザヤ「じゃ、どうする?今から行こうか、それとも明日の朝まで待とうか、どうしよう。」ヨンサム「ニュースってのは、一刻も早く伝えなきゃニュースとは言えないよ。今から行こう。」みんな「よし、そうしよう。みんな出発だ。」
 
 町の人々は救われた!
 
 
4人は、町の入り口、つまり、お城の門のところまで、走ってきてさけびました。「町のみなさーん。アラムの陣地は空っぽですよ―――。それから、食べ物がたくさんありますよ―――。早く行って食べたらどうですか―――。」

はじめは、疑り深かった町の人々も、本当にアラムの兵隊達がいなくなって、食べ物が沢山残っていることが分かったら、どどどどっと洪水のようにアラムの陣地に押しかけていって、食べ物をさらってきました。泥棒はいけないけれども、残していったものだから、構わなかったのでしょう。こんな風に、サマリヤの町は、4人の病人のおかげで飢え死にから救われました。

もし、この4人が自分達だけ腹いっぱい食べて、誰にも何にも言わなかったら、どうなっていたことでしょう。自分達だけは助かったかもしれませんが、町の人々は、外に沢山食べ物があることを知らずに飢え死にしていたことでしょう。
 
おわりに
 
 福音(グッドニュース)を聞いた僕達はどうする?
 
 
私達も、この4人と似たところが沢山あります。イエス様の救いと言う、すばらしい「食べ物」を頂きました。でも周りにいるお友達の多くは、本当の食べ物を知りませんから、さびしい人、悲しい人、いらいらしている人、他の人を愛せないでお友達をいじめることしか楽しみのない人がたくさんいます。もし、私達が自分だけ楽しんでいたら、この食べ物を知らない多くのお友達は、心の飢え死にをしてしまいます。私達もイエス様というグッドニュースを聞いて救われたのですから、このニュースをお友達に伝えましょう。金言を覚えます「きょうは、良い知らせの日・・・さあ、行って、知らせよう。」
 
お祈りしましょう。