礼拝メッセージ
(インマヌエル中目黒キリスト教会)

 
聖書の言葉は旧新約聖書・新改訳聖書第三版(著作権・新日本聖書刊行会)によります。
 
2014年5月11日
 
「今、わたしに立ち返れ」
CSデー・スペシャル
 
竿代 照夫 牧師
 
ヨエル書 2章12-17、23-28節
 
 
[中心聖句]
 
  12   今、―主の御告げ。―心を尽くし、断食と、涙と、嘆きとをもって、わたしに立ち返れ。
(ヨエル書 2章12節)


 
聖書テキスト
 
 
12 「しかし、今、―主の御告げ。―心を尽くし、断食と、涙と、嘆きとをもって、わたしに立ち返れ。」13 あなたがたの着物ではなく、あなたがたの心を引き裂け。あなたがたの神、主に立ち返れ。主は情け深く、あわれみ深く、怒るのにおそく、恵み豊かで、わざわいを思い直してくださるからだ。14 主が思い直して、あわれみ、そのあとに祝福を残し、また、あなたがたの神、主への穀物のささげ物と注ぎのぶどう酒とを残してくださらないとだれが知ろう。
15 シオンで角笛を吹き鳴らせ。断食の布告をし、きよめの集会のふれを出せ。16 民を集め、集会を召集せよ。老人たちを集め、幼子、乳飲み子も寄せ集よめよ。花婿を寝室から、花嫁を自分の部屋から呼び出せ。17 主に仕える祭司たちは、神殿の玄関の間と祭壇との間で、泣いて言え。「主よ。あなたの民をあわれんでください。あなたのゆずりの地を、諸国の民のそしりとしたり、物笑いの種としたりしないでください。国々の民の間に、『彼らの神はどこにいるのか。』と言わせておいてよいのでしょうか。」
23 シオンの子ら。あなたがたの神、主にあって、楽しみ喜べ。主は、あなたがたを義とするために、初めの雨を賜わり、大雨を降らせ、前のように、初めの雨と後の雨とを降らせてくださるからだ。24 打ち場は穀物で満ち、石がめは新しいぶどう酒と油とであふれる。25 いなご、ばった、食い荒らすいなご、かみつくいなご、わたしがあなたがたの間に送った大軍勢が、食い尽くした年々を、わたしはあなたがたに償おう。26 あなたがたは飽きるほど食べて満足し、あなたがたに不思議なことをしてくださったあなたがたの神、主の名をほめたたえよう。わたしの民は永遠に恥を見ることはない。27 あなたがたは、イスラエルの真中にわたしがいることを知り、わたしがあなたがたの神、主であり、ほかにはないことを知る。わたしの民は永遠に恥を見ることはない。
28 その後、わたしは、わたしの霊をすべての人に注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、年寄りは夢を見、若い男は幻を見る。29 その日、わたしは、しもべにも、はしためにも、わたしの霊を注ぐ。
 
1.イナゴが大発生する
 
 
・預言者ヨエル:
今から2840年まえ、ユダの国にヨエルという預言者がいました。

・イナゴの大群:
ある朝、起きてみると、空が真っ暗です。今日は雨なのかなと思って空を見上げると、ブーン、ブーン、バリバリ、バリバリとものすごい音が聞こえます。ヨエルさんの肩にイナゴが止まっていました。ぱたぱたと振り払ったら、胸の所にも首の所にも、あっちこっちにイナゴがいるではありませんか。しかも大きな歯で、噛みつかれた指がちぎれそうな痛さです。これは噛みつき・イナゴです。やっとイナゴを全部払って、外を見ました。イナゴが通り過ぎた後は、床屋さんがバリカンで髪の毛を刈った時のように、畑が丸坊主になっていました。麦の穂が全部食べられてしまっていたからです。困った困ったと思っていると、またまた空が暗くなってきました。なんだろうと思っていると、さあ大変、今度は小さなサイズのイナゴですが、口をムシャムシャ動かしています。このムシャムシャ・イナゴは、さっきのイナゴが残して行った麦の葉っぱも食べ尽くし、畑はまっ茶色になってしまいました。これで終わりかと思ったら、別なイナゴがやってきました。今度のイナゴは、ベロベロ・イナゴです。ベロベロイナゴは、木の葉っぱをベロベロと皆食べて丸坊主にしてしまいました。それでも終わりません。今度はガツガツ・イナゴの大群がやってきて、木の皮までガリガリとかじりつくしてしまいました。お百姓さんはもう力が抜けて、泣く元気もありません。途方に暮れていました。

 
2.恐ろしい軍隊がやってくる!
 
 
・外国から軍隊が:
その時、ヨエルさんは、このイナゴの大災害の向こうに小さな黒雲を見たような気がしました。その黒雲はだんだん大きくなって、空を覆い尽くすようです。ヨエルさんはその雲の中身を見ました。何とその中身は、恐ろしい顔をした外国の軍隊でした。

・軍隊は懲らしめのために:
ヨエルさんは分かりました。ああそうか。イナゴの大群は、こんな恐ろしい軍隊が外国からやってくることを前もって知らせるためだったのだということを。そしてそれは、今のユダ国が神様から離れた勝手な生活をしていることに対して、懲らしめのためなんだということも分かったのです。じゃあ、どうすればいいのだろう、ヨエルさんは考えました。そうだ、今からでも遅くない。「みんなで、神様に向かって心からごめんなさいをしよう」そう思ったのです。
 
3.悔い改めをしよう
 
 
そこでヨエルさんは、みんなが集まってくる広場で叫び始めました。「みなさん、イナゴで受けた苦しみは、それだけで終わりません。このまま神様の言うことを聞かないで、悪いことばかり続けると、もっともっと苦しいときがきます。今からでも遅くありません。みんなで、神様に悔い改めましょう。神様がおっしゃることを平気で捨てて、お互いにけんかをしたり、憎しみ合ったり、泥棒したことを、心から悔い改めて祈りましょう。『神様、ごめんなさい。今まで私は神様のおっしゃる反対の生き方をしてきました。これからは、神様に従って生きていきます。どうぞ助けてください。』」

・祭司から始めて:
「祭司(今でいえば牧師)たちよ。悔い改めなさい。あなたがたは、神様に仕える聖いお仕事をしながら、それをお金儲けのためにやっていませんか。長老(今でいえば教会の役員)たちよ。あなたがたは、みんなに仕えるはずなのに、いばってみんなを自分の好きなように使っていませんか。今着ているきれいな着物を脱いで、ごわごわの布を体に巻きつけて、神殿に行き、そこで夜通し心からのお詫びの祈りを捧げましょう。」

・大人から子どもまで一緒に:
更にヨエルは言いました。「おじいさんたちよ。集まってきなさい。あなたがたも他の人の手本にならないような悪い遊びをしていませんか。おばあさんたちよ、あなたがたも人の悪口ばかり言って楽しんでいませんでしたか。お父さんたちよ、あなたがたはお金儲けのためにやってはいけないズルをしていませんか。お母さんたちよ、あなたがたは毎日きれいな着物を着たり、お化粧をしたりして、他の人と競争ばかりしていませんか。若者たちよ、まじめに仕事をしないで遊びまわってはいませんか。こどもたちもあつまってきなさい。弱いお友達をいじめて苦しめていることはありませんか。」

・悔い改めが始まった:
ヨエルの説教を聞いた人々は、本当にそうだ、とうなずきました。というのは、イナゴの大群に襲われて、食べる物もなくなり、これから先どうしようかと、困り切っていたからです。そうして、祭司たちから始まって、長老たち、おじいさん・おばあさん、お父さん・お母さんたち、若者たち、子供たちが大声で泣いて悔い改めを始めました。
 
4.豊かな国に生まれ変わる
 
 
・豊かな実り:
ヨエルさんは、喜びました。「大丈夫、神様は、あなたがたを愛しています。今は、食べ物がなくて辛いけれども、やがて雨が降ります。大麦も小麦も豊かに実り、ブドウもたくさん取れる時がやってきます。草も青々と生えてきて、羊たちがお腹いっぱい食べられる時がやってきます。愛と憐れみの神様を信じましょう。そうすれば、噛みつき・イナゴ、ムシャムシャ・イナゴ、ベロベロ・イナゴ、ガツガツ・イナゴが何もかも食い尽くした年を忘れるくらいの豊かな食べ物で満ちてくるでしょう。」とみんなを励ましました。

・聖霊の注ぎ:
ヨエルはもっと言いました。「その後で、神様はもっと素晴らしいことをしてくださいます。神様は聖霊というお方を一人一人に注いでくださいます。特別に偉い人だけではありません。すべての人にです。おじいさんたちは、昔々を思い出すようなつまらない夢ではなく、神様が与える将来の夢を見て、それに向かって進んでいきます。青年達、こどもたちも、自分がなりたいというような自分勝手な夢ではなく、神様がこうあってほしいという将来のビジョンを見るようになります。みんなが、神様のみ言葉をしっかりと分かって、それを自分の生活に生かし、それを他の人々にもお話しできるような預言者になるのです。」これを聞いた人々は、そんなことって本当に起きるのかな、とよく分かりませんでした。でも、それから8百年後、イエス様が人間のすべての罪の身代わりに十字架にかかり、甦り、そして、その50日後ペンテコステというお祭りの日に、弟子たちに聖霊を注いでくださった時に、これが本当となりました。今年の6月8日が、それを記念するペンテコステの日曜日です。
 
おわりに
 
 
今日の金言は、12節です。「今、―主の御告げ。―心を尽くし、断食と、涙と、嘆きとをもって、わたしに立ち返れ。」(ヨエル2:12)いつ悔い改めるのでしょうか。今でしょ。明日、明後日とのばさないで、今、神様の前にごめんなさいと言わなければならないことを、今、きちんとお詫びしましょう。
 
お祈りを致します。