礼拝メッセージ
(インマヌエル中目黒キリスト教会)

 
聖書の言葉は旧新約聖書・新改訳聖書第三版(著作権・新日本聖書刊行会)によります。
 
2017年8月20日
 
「真理を見分けるために」
ヨハネの手紙からのメッセージ(11)
 
梅田 昇 牧師
 
ヨハネの手紙第一 4章1-6節
 
 
[中心聖句]
 
  6   私たちは神から出た者です。神を知っている者は、私たちの言うことに耳を傾け、神から出ていない者は、私たちの言うことに耳を貸しません。私たちはこれで真理の霊と偽りの霊とを見分けます。
(ヨハネの手紙第一 4章6節)


 
聖書テキスト
 
 
1 愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです。2 人となって来たイエス・キリストを告白する霊はみな、神からのものです。それによって神からの霊を知りなさい。3 イエスを告白しない霊はどれ一つとして神から出たものではありません。それは反キリストの霊です。あなたがたはそれが来ることを聞いていたのですが、今それが世に来ているのです。4 子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。あなたがたのうちにおられる方が、この世のうちにいる、あの者よりも力があるからです。5 彼らはこの世の者です。ですから、この世のことばを語り、この世もまた彼らの言うことに耳を傾けます。6 私たちは神から出た者です。神を知っている者は、私たちの言うことに耳を傾け、神から出ていない者は、私たちの言うことに耳を貸しません。私たちはこれで真理の霊と偽りの霊とを見分けます。
 
今月を振り返り
 
 
今月には、ファミリーキャンプ、林間聖会、とにキャンが持たれたことです。多くの方々が旅行されたり、帰省されたりしたお盆休みの週を越えて、8月第三聖日を迎えました。休み明けは、心身の疲れがあり、憂鬱状態になる人が多いと聞きましたが、皆様はいかがでしょうか? 子供たちが夏休みで、一日あわただしい生活を送っておられるお母さん方も多いことでしょう。
 
聖書の豊かさに心を向けよう
 
 
今朝も、仕事や生活の課題から、しばらく離れて、聖書のことばに心を向けることができることは感謝なことです。平成5年、鹿児島県菱刈町で金の鉱脈が発見され、埋蔵金量は約150トンと推定され、年間金産出量は約7〜8トンだそうです。佐渡金山をしのぐ日本最大の金山だそうですが、もうほとんど金を掘りつくしてしまったようです。どんな大きな金の鉱脈でもいつの日がなくなってしまうことでしょう。しかし、聖書には、無尽蔵の宝が隠されているのです。何回読んでも、何年読んでも、なお、把握しれない霊的な知恵と宝が秘められています。どうぞ、私たちは生涯をかけて聖書を学び続け、聖書から慰めと励ましを与えられて、地上の生涯をたどらせていただきましょう。
 
今朝のテーマ
 
 
今朝は、ヨハネの手紙第一4章1〜6節を読ませていただきました。「真理を見分けるために」という説教題をつけさせていただいたことです。この世には、さまざまな偽り、偽物が氾濫しています。オレオレ詐欺を始めとする詐欺事件もさまざまな形で起こっています。偽りに惑わされ、だまされないように気をつける必要があります。ヨハネの時代にも、間違った教え、偽りの教えが横行していたのです。

特にテレビ、新聞などのマスコミは、沢山の大切な情報を与えてくれますが、時には正確でない情報を流すこともありますので、いろいろな情報に振り回されない洞察力が求められるでしょう。真理と偽りを見分ける知恵が大切です。
 
T.偽りの存在
 
 
まず第一に、偽りと真理が存在することを覚えさせていただきましょう。

1節「愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです」
 
A.すべての霊を信じてはいけない背景:
 
 
霊だからと言って、すべてを信じてはいけないと記されています。ヨハネがこの手紙を書いた背景に、グノーシス主義という異端的な教えがはびこっていたことがあります。2章を学びました時も、このグノーシス主義について申し上げましたが、ペルシャの二元論の影響を受けて、「霊は善であり、肉体は悪である」と考えて、キリストの肉体、人間性を否定する人々が活動していたのです。旧約聖書の時代にも、偽預言者が存在しましたが、ヨハネの時代にも偽預言者がたくさん存在していたのです。預言者は、神のメッセンジャーと神様に召され、派遣された人ですが、自称預言者の、偽の預言者が旧約聖書の時代にも、ヨハネの時代にも活動していたのです。

医師免許がないのに、自称医師として、9年間にわたって、都内の病院に勤務していた男が逮捕されるということがありました。偽造した医師免許証のコピーを使い、○○大学医学部卒と偽っていたのです。大変驚いたことに患者の方々の間で評判が良かったそうです。しかし、いくら評判が良くても、日本の医療制度の中では、資格がなければ、医療行為をしてはならないのです。

ヨハネは、偽りの霊の働きがあることを警告しています。2節「人となって来たイエス・キリストを告白する霊はみな、神からのものです。それによって神からの霊を知りなさい」。グノーシス主義的な考えで、キリストの人間性を否定する人々がいたのです。2節には、人として来られたイエス・キリストを告白する霊は、神からのものであると記されています。

今年の林間聖会の分科会で、異端のことが扱われました。今日も、キリスト教を名乗りながら、異端と呼ばれるグループに属している人々が活発に活動しています。彼らは、熱心で、親切そうに見えるかも知れませんが、その間違った教えに惑わされてはなりません。異端の共通的な点は、イエス様をキリスト、救い主を信じないことです。
 
B.主キリストの人間性を否定する偽り(3節):
 
 
3節「イエスを告白しない霊はどれ一つとして神から出たものではありません。それは反キリストの霊です。あなたがたはそれが来ることを聞いていたのですが、今それが世に来ているのです」

主キリストをどう理解し、どう信じているかはとても重要です。主キリストは、偉大な預言者であり、人類の教師であると理解している人々もあります。しかし、イエス様が救い主であることを否定する人もあります。

教会歴史では、紀元325年に行なわれた二ケア会議において、キリスト論についての論争がありました。キリストが神であるかどうか、神のご性質をもっておられるかどうかということでした。アリウスという人は、キリストは神ではなく、神様によって創造され、神様に似た性質を持っているけれど、神ご自身ではないと主張しました。アタナシウスは、キリストは神様に創造されたお方ではなく、神様ご自身だと主張しました。結果的に、教会はアリウスの見解を退け、キリストは神様の性質をもっておられたと結論づけたのです。正統的なキリスト教会は、神様の導きと祈りの中で、「イエス・キリストは、真の神であり、真の人である」ことを受け入れ、この教えを堅く守ってきたのです。
 
C.偽りが存在する理由:
 
 
どんな時代にも、偽りが存在していることを私たちは覚えなければなりません。商売にも宗教にも、偽りが存在するのです。詐欺商法もあります。なぜ、偽りが存在するのでしょうか。真理を愛しながら、この世には、偽りと欺瞞とウソがはびこっています。神様は真実な方です。神様は約束されたことを必ず、成就なさるお方です。神様から出た教えに間違いはありません。ところがこの世は、神様に支配されておりません。この世は悪魔、サタンに支配されています。サタンは、偽りの霊です。

神様はアダムとエバに、エデンの園の中央にある木の実を食べると必ず死ぬとおっしゃいました。ところが、悪魔であるサタンは、「あなたがたは決して死にません」と明らかにウソを言ったのです。サタンの存在と働きの故に、この世にウソと偽りが存在するのです。

使徒パウロは、エペソ6章12-13節において、「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい」と勧告しています。目をさまして、悪魔の誘惑に惑わされないように歩みましょう。この世には、どんな時代にも偽りが存在することを覚えさせていただきましょう。
 
U.信仰者の勝利
 
 
第二に、信仰者に勝利が約束されていることを覚えましょう。

4節「子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。あなたがたのうちにおられる方が、この世のうちにいる、あの者よりも力があるからです」
 
A.神の子とされた信仰者(4節):
 
 
「子供たちよ」とは、信仰によって、神の子とされたクリスチャンのことを意味しています。神様によって、生まれ変わった者に勝利が約束されています。神様によって、心の生まれ変わりを経験し、真理がわかりますと、偽物がわかるようになるのです。本物がわかると、偽物がわかるのです。

「私たちの内におられる神様は、サタンより、力あるお方である」とヨハネは記しています。このヨハネが、晩年にパトモス島に島流しとなり、天の幻を見、黙示録を書いたのです。ヨハネはサタンが千年王国の終わりには捕らえられて、永遠の火の中に投げ込まれて、裁かれることを預言しています。悪魔は必ず、敗北し、神様は必ず、勝利されるのです。
 
B.神の子に約束された勝利(4節):
 
 
神様は、信頼する者に勝利を与えてくださるのです。ヨハネは、信仰者に約束された勝利について5章4-5節に述べています。「なぜなら、神によって生まれた者はみな、世に勝つからです。私たちの信仰、これこそ、世に打ち勝った勝利です。世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか」。主キリストは、十字架にかかり、悪魔の業を打ち壊してくださいました。ですから、主キリストを信頼する藻には、勝利が約束されているのです。偽り、異なる教えに惑わされずに、勝利を与えなさることができるお方を見上げて歩ませていただきましょう。
 
V.真理を見分ける歩み
 
 
第三に、真理を知る生活について学ばせていただきましょう。

6節「私たちは神から出た者です。神を知っている者は、私たちの言うことに耳を傾け、神から出ていない者は、私たちの言うことに耳を貸しません。私たちはこれで真理の霊と偽りの霊とを見分けます」
 
A.救いの必要(6節):
 
 
私たちは、罪の性質を持ち、サタンの支配下にあり、真理と偽りを洞察することはできないのです。

聖霊の働きにより、自分の姿と罪を知り、神様の愛を経験することがとても大切です。救われて、心の目が開かれますと、偽りと真理を見分けることができるようになるのです。4節に「子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です」と記されています。神から出るとは、神様に起源を持つ者という意味です。罪を悔い改め、キリストを信じて、生まれ変わるときに、心の目が開かれるのです。神様によって生まれた人には、洞察力が与えられて、真理と偽りを見分けることができるのです。偽りを見分ける方法は、偽りについて研究されることではありません。真理を知り続けることです。

使徒パウロは、エペソ人への手紙1章18-19節において「また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しによって与えられる望みがどのようなものか、聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか、また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。」と祈っています。心の目が開かれ、偽りと真理を正しく洞察する力が与えられ続けますように、聖霊の助けを仰ぎましょう。
 
B.成長の必要:
 
 
偽りを見抜き、真理に歩むためには、主イエス様を信じることは十分ではありません。生まれた赤ちゃんは立派な人間ですが、まだ、社会人としては完成されていません。赤ちゃんは肉体的に、精神的に、知的に、社会的に、成長し続けることが期待されています。同じように、キリストを信じて生まれ変わった信仰者は、一人の人間として、社会人として、家庭人として、成長し続けることを期待されているのです。

第二ペテロ3章18節「私たちの主であり救い主であるイエス・キリストの恵みと知識において成長しなさい。このキリストに、栄光が、今も永遠の日に至るまでもありますように。アーメン」。赤ちゃんが親の愛情を受け、栄養を吸収し、運動をしながら、成長していきますように、私たちも祈りとみことばと集会出席によって、主の豊かな養いを受けながら、信仰者として、成長させていただきましょう。その時に、真理の霊と偽りの霊を見分けることができるのです。
 
終わりに(結論)
 
 
今朝は、「真理を見分けるために」という題でみことばを語りました。

T.偽りの存在:私たちの社会には、さまざまな偽り、あざむきが存在しています。

U.信仰者の勝利:しかし、信仰者には、勝利が約束されています。

V.真理を見分ける歩み:真理を見分けるために大切なことが、主キリストを信頼し、霊的に成長していくということです。

サタンは、私たちの信仰の目をくらまそうとして、必死に活動しています。どうぞ、主を信頼し、真理と偽りをちゃんと見分け、偽りから守られ、真理の道を歩ませていただこうではありませんか。聖霊は、私たちを助けてくださいます。
 
お祈りを致します。